業者に電話する前に、3つ確かめてください。道具は要りません。
- 台所と浴室など、2か所以上の蛇口で試す
- 蛇口を水側(青い印のある側)にして、水が出るか確かめる
- リモコンの残湯量の表示を見る
結果で行き先が決まります。
| 結果 | 進む先 |
|---|---|
| 水も出ない | 1章 |
| 水は出て、残湯量が少ない | 2章(湯切れ。故障ではありません) |
| 水は出て、お湯は出るがぬるい | 2章の後半 |
| 水は出て、残湯量も残っているのにお湯が出ない | 3章 |
| 1か所の蛇口だけ出ない | 4章(本体ではなくその水栓) |
| 寒くなってから急に出なくなった | 5章(凍結) |
残湯量の表示そのものが出ていない場合は、湯切れとは限りません。 停電のあとやリモコンの不具合でも表示は出なくなります。2章と5章を見たうえで、 戻らなければ6章に進んでください。
賃貸にお住まいなら、業者を呼ぶ前に管理会社か大家に連絡してください。 自分で呼ぶと費用が自己負担になることがあります。
確認の手順はメーカーが違っても共通ですが、エラーコードの意味とボタンの名前は機種で違います。 以下、出典のある内容にはメーカー名を書いています。
1. 水も出ないとき
三菱電機は、リモコンに 「U00」 が出ている場合もこれと同じ症状として扱っています (U00 は三菱電機の表示です)。同社が挙げている確認項目は5つです。
- 断水していないか。 日立は「断水の連絡が来ているかご確認ください」としています。 近所や他の階の蛇口も出ないなら、これです
- 大もとの水道栓が閉まっていないか
- 湯水混合栓の止水栓が閉まっていないか
- 配管が凍結していないか(→ 5章)
- ソーラー温水器や他の給湯機が接続されていないか。 心当たりがなければ該当しません
三菱電機の並びとは別に、確認の手間が軽い順に並べ替えています。
止水栓が閉まっているのを見つけたら、そこで連絡してください。 日立は「タンク専用止水栓を開ける場合は、販売店または設置業者にご確認ください」と、 開ける前の確認先を案内しています。
2. 水は出るが、残湯量が少ない・表示が無いとき
湯切れです。故障ではありません。 タンクに貯めたお湯を使い切った状態です。
日立の案内はこうです。
タンクのお湯が少なくなっています。リモコンの残湯量を確認してください。 残湯量が少ない場合はリモコンの「タンク沸き増し」ボタンを押してください。
お湯が足りなくなりそうなときについても、日立は 「リモコンの『タンク沸き増し/沸き増し』ボタンを押して必要な湯量を確保してください」としています。 ボタンの名前は機種で違うので、リモコンの表示で探してください。 回復したかどうかは残湯量の表示で分かります。
お湯は出るが、ぬるいだけのとき
三菱電機が「全ての水栓のお湯がぬるい」で挙げているのは次の3つです。
- 給湯温度が低く設定されていないか。または「水」に設定されていないか
- 他の場所でお湯が使用されていないか
- 停電中ではなかったか
サーモスタット付混合水栓を使っている場合は設定に注意が必要です。 日立は「リモコンの給湯温度を混合水栓の設定温度より約10℃高くしてください」としており、 「設定温度が低いと混合水栓で設定した湯温にならないことがあります」と説明しています。
3. 残湯量は残っているのに、お湯が出ないとき
三菱電機が「湯水混合栓の水は出るが、リモコンの残湯表示はあるのに湯側にするとお湯も水も出ない」で 挙げているのは次の4つです。
- タンクの給水配管専用止水栓が閉じていないか
- 湯水混合栓の湯側の止水栓が閉まっていないか
- 配管が凍結していないか(→ 5章)
- タンクの給水ストレーナにゴミや異物が詰まっていないか
止水栓が2種類あることに注意してください。タンク側と蛇口側は別のものです。 工事や点検の直後なら、閉めたまま戻し忘れていることがあります。
ストレーナには手順が公表されていますが、止水栓の開閉が前提です。 Panasonic が示している手順は「給水側止水栓(給水元栓)を確実に閉じてからストレーナをはずし、 水洗いした後、再度装着し、給水側止水栓を開いてください」です。 止水栓の操作について日立は販売店・設置業者への確認を案内しているので、 自信がなければ、ここで連絡してください。
4. 1か所の蛇口だけ出ないとき
三菱電機の故障診断は、「特定の湯水混合栓からのみお湯が出ない」を独立した症状として挙げています。 1か所だけなら、まずその水栓側から確認するのが順序として合理的です。
連絡先も変わります。エコキュートのメーカーではなく、その水栓の製造元か水道工事業者です。 先にエコキュートのメーカーを呼ぶと、出張しても対象外という結果になりえます。
5. 寒くなってから急に出なくなったとき
凍結が疑われます。三菱電機は条件をこう書いています。
外気温が0℃以下になると配管も凍結しやすくなります。 また配管に直接風があたると、0℃以上でも凍結する場合があります。
0℃を超えていても、風が当たる配管は凍結する場合があります。 昨夜の最低気温が0℃より上でも、これだけでは除外できません。
エラー表示が出ている場合 — しゃ断器を触ってよいかは条件つきです
ここは順番を間違えると故障が広がります。
Panasonic は、寒い時期に「H□□」「F□□」の異常表示が出た場合について、こう書いています。
凍結のおそれがある時期に異常表示がでた →配管が凍結して故障が拡大する場合があるため、配線用しゃ断器、貯湯ユニットの漏電しゃ断器 および配管の凍結予防ヒーターは「切」にせず、下記にすぐご連絡ください。
まずリモコンに出ているコードを読んでください。入れ直してよいかはコードで決まります。
| 表示 | Panasonic の案内 |
|---|---|
| F12・H94 | 冬季にこの表示が出てお湯が出ない場合として、貯湯ユニットの漏電しゃ断器を60秒以上「切」後、「入」。あわせて給湯栓(お湯側蛇口)を少し開いて解凍するのを待つ |
| F19 | 自然解凍を待ち、解凍後の処置として同じ入れ直し |
| 上記以外の H□□・F□□ | 凍結のおそれがある時期は「切」にせず、すぐ連絡 |
この「上記以外」は記事側の整理です。Panasonic の8番目の項目は H・F 表示全般への案内で、 F12・H94(3番目の項目)と F19(6番目の項目)だけが、個別に入れ直しを案内されています。
そのうえで F12・H94・F19 以外の H・F 表示なら、しゃ断器は触らずに連絡してください。 入れ直しの操作は「貯湯ユニットの漏電しゃ断器を60秒以上『切』後、『入』にするとエラー表示が解除されます」で (生活堂も「1分以上経過してから」と同じ操作を挙げています)、 それでも解除されない場合は販売店に問い合わせるよう案内されています。
対象は 貯湯ユニット側の漏電しゃ断器で、家全体のブレーカーではありません。 家の主幹ブレーカーを落とさないでください。 場所は機種と設置で違うので、取扱説明書で確認してください。
なお Panasonic は「U□□」表示についての但し書きとして、 「※但し、凍結のおそれがある時期は、配管が凍結して故障が拡大する場合があるため対処は行わず、 速やかにご依頼ください」とも書いています。
エラー表示が出ていない場合
冬季に蛇口からお湯が出ない場合について、Panasonic は 「給湯栓(お湯側蛇口)を少し開いて解凍するのをお待ちください」と案内しています。
急ぐ場合、生活堂は「配管部分にタオルなどをかけ、少しずつぬるま湯を注ぎながらじわじわととかしていきましょう」 としています。そのうえで 「気をつけたいのは、熱湯を使わないこと」、理由は 「急激な温度差などによって配管部品が破損してしまう危険性があります」。
解けたあとに、本体まわりから水が漏れていないか見てください。 凍って割れていた場合、解けた時点で漏れ始めます。漏れていたら、そこで販売店に連絡してください。
気温が上がってもお湯が戻らない場合は、凍結以外の原因です。6章に進んでください。
6. どれも当てはまらないとき
ここまで確認して該当しなければ、本体側の可能性が出てきます。 以下の修理料金はすべて2026年8月31日時点でメーカーが公開していた概算です。 料金は改定されるので、依頼する時点の金額はメーカーの現在のページで確認してください。
三菱電機の概算料金では、「お湯が沸かない。お湯が出ない」は 18,700円〜66,000円。 ただし原因が室外機の冷媒回路の故障だった場合は 73,700円〜188,100円になります。 最小の18,700円と最大の188,100円で10倍以上開きます (いずれも税込。技術料・部品代・出張料を含み、同社の修理受付センターへ直接依頼した場合)。
呼ぶ前に押さえておくべきことが2つあります。
- 診断だけでも料金がかかります。 同社は「診断のみで修理をキャンセルされた場合は 『見積診断』料金をご負担いただきます」としており、その額は税込で 6,490円〜9,680円 です
- 年数が経った機器は、上の概算を超えることがあります。 同社は「製造から長期経過した製品や、 複数の部品交換になる場合は、修理概算金額を超える高額修理となる場合がございます」と注記しています
もうひとつ、修理できるかどうかを先に決めてしまう条件があります。 Panasonic が公表している補修用性能部品の保有期間は、エコキュートで 製造打ち切り後9年〜10年です(同ページには「販売年により異なります」という注記が付いています)。 これを過ぎていると、修理できない可能性が高くなります。 型番でメーカーに確認できます。判断の手順は寿命と修理費の見かたにまとめています。
次の冬に繰り返さないために
Panasonic が挙げている凍結予防は4つです(出典の順に並べています)。
| 対象 | 操作 |
|---|---|
| ふろ配管 | (フルオート機種の場合)浴槽にお湯や水をはったままにする |
| 給水・給湯配管 | リモコンの湯温を「水」に設定し、1分間に200ml(コップ1杯分)程度出るようにお湯側の蛇口を開けておく |
| 貯湯ユニット部 | 脚部化粧カバー(別売)を取り付けると風よけになる |
| 各部配管の保温材 | 破損している場合は販売店に連絡する |
2番目は給湯温度を「水」にしておく操作です。寒い時期が終わったら温度を戻してください。 戻し忘れると、2章の「ぬるい」の原因そのものになります。
今日やること
- 2か所以上の蛇口で試す。1か所だけなら、その水栓の製造元か水道工事業者へ
- 蛇口を水側にして水が出るか、リモコンの残湯量がどうかを見る。ここで1章・2章・3章のどれかに決まります
- 残湯量が少ないなら「タンク沸き増し」を押す。これで戻るなら故障ではありません
- エラー表示が出ているなら、まずコードを読む。 F12・H94 なら入れ直してよい。F19 は自然解凍を待ってから入れ直す。 それ以外の H・F 表示は、しゃ断器に触らず連絡する。 表示が無ければ給湯栓を少し開けて自然解凍を待つ。熱湯はかけない
- 止水栓が閉まっていた、ストレーナが疑わしい場合は、開ける前に販売店・設置業者に確認する
- どれも該当しなければ、型番を控えてメーカーに連絡する。 このとき「診断料がかかるか」と「部品の保有期間内か」も一緒に聞いてください
修理と交換のどちらにするかの決め方は エコキュートの寿命は何年? にまとめています。